電子黒板の基礎知識

2009年8月20日 (木)

電子黒板の基礎知識【第5回 電子黒板はなぜ動く】

 最後に電子黒板は、なぜ稼働するのかということを説明して、この連載を終わりにします。電子黒板を使うとこの質問が児童・生徒から発せられることもありえますから。

 電子黒板では、黒板上で動く電子ペン(や指)の位置情報を認識してパソコンに送ります。この情報を基に、パソコンに入っているソフトが動き、さまざまな機能が発揮されます。
 ある意味では、黒板がマウスの働きをしているということになります。
 この電子ペンの動きや位置を知る方法は、大きく3種類に分けられます。

(1)感圧式

 銀行のATMでよく使われている、いわゆるタッチパネルの方式です。電子黒板の表面に薄い2重の膜が貼られており、膜の間には隙間があります。そこが電子ペンなどで押されることにより膜同士が接触し、電気信号が発せられます。この信号を検知して、動作します。
 したがって電子黒板は専用ですが、電子ペンは指でも代用できます。

(2)電磁気式

 こちらも電子黒板に仕かけがあり、表面のすぐ下に縦横に細い電線が埋め込まれています。電子ペンにも仕かけが必要で、コイルが内蔵されています。黒板面か電子ペンに電気を流し、電子ペンが動くことにより生じる電位差を感じて位置情報とします。
 したがって、電子黒板も電子ペンも専用になります。

(3)検知式

 電子黒板の表面に、超音波、赤外線などが発せられていて、これが遮られたり反射したりしたことを超小型カメラなどで検知して位置情報とするタイプ。黒板の表面をレーダーで監視しているようなもの、といえばわかりやすい(?)でしょうか。
 これとは逆に、スクリーンに接触すると電子ペンのほうから超音波などを発信して、位置情報を教えるタイプもあります。

 この他にも技術開発が(他社との特許の関係もあり)進められていて、今後市場に新しい方式の電子黒板が投入されてくることが考えられます。

【最後に】

 今回は5回にわたって、電子黒板についてご紹介しましたが、基本的にはハード面についての情報がほとんどです。
 電子黒板を使った実際の授業などの活用事例は、これからもこの「でじたる教室日記」で紹介いたします。また、平成19年度文部科学省委託事業で制作された「電子黒板活用ガイド」にも、多くの事例が掲載されていますので、ぜひご一読ください。

 学校で購入した電子黒板をどう使っていくかは、先生しだいです。まずは、できるところから始めていくのが、よいのではないでしょうか。

文責 JAPET事務局 川井 正志

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2009年8月10日 (月)

電子黒板の基礎知識【第4回 電子黒板の種類】

 電子黒板と一口に語ってきましたが、大きく3種類に分けることができます。各々に一長一短がありますので、どのタイプを導入するかは使用法(や台数・予算)について、十分に検討する必要があります。

(1) 一体型

 黒板と画像表示装置が一緒になったタイプです。薄型の液晶テレビやPDP(Plasma Display Panel)テレビをイメージしてください。常設ならば壁掛けや天吊りとなりますが、普通教室などで共用の場合は、移動用の大きな脚がつくことになります。

1.長所
①面倒な接続がほとんどありません。専用パソコンをセットしておけば、すぐに使用できます。
②画面が明るく、遮光などをしなくても使用できます。また画像が高精細です。
③画面に電子ペンなどで書き込むときに、映像の影になる部分が生じません。そのため画像が消えることがなく、児童・生徒でも迷わずに書き込みができます。

2.短所
①価格が高い(ただし薄型テレビと同様、将来的な価格の下落余地はあります)。しかも大きくなればなるほど、価格は飛躍的に高騰します。
②移動式の場合、校内を移動させるのはそれなりにたいへんです。エレベータがないと、フロア間の移動は困難です。また普通教室で使うとなると、脚が教壇にひっかかったり、児童・生徒用の机を移動したりといった事態が想定されます。また、かなり重いのも移動の妨げになります。
③他のタイプに比べると、画面が小さい。大型画面といっても、テレビのレベルでのことです。しかも横長(ワイド)タイプなので、表示インチサイズほど画面は大きく感じられません。
④ワイド型のため、画像の調整作業が必要になります。自動調整する機能がついている電子黒板もありますが、手動で設定変更が必要な場合もあります。これをしないと、テレビで登場人物がやけに太って映ってしまうのと同じで、正方形が横長の長方形となるので注意が必要です。

(2) ボード型

 専用の黒板(ホワイトボード)とプロジェクタのセットになります。ボードとプロジェクタが一体になっているかどうかなどで、さらに種類を分けることができます。
 価格は、一体型とユニット型の中間的な位置づけになります。移動も、脚つきでも一体型よりは軽量なので楽になります。

1.長所
①大画面で利用できます。概ね40~80インチ程度のボードを使用しますので、教室の後ろからもよく見えます。ただし、画面の明るさや精密さは、プロジェクタの性能によりますので、一概にいえない部分がありますが。

2.短所
①低価格のものは、パソコンと電子黒板、パソコンとプロジェクタをケーブルで接続する必要があります。
②使用するときに、初期の位置合わせが必要となります。映しだされた画面のポイント数か所を順にタッチしていくという簡単な手順ですが、面倒ではあります。
③画面に電子ペンなどで書き込むときに、プロジェクタの投影角度によっては影になる部分ができます。影の部分は、画像がなくなるため、書き込むときに戸惑う場合があります。この欠点を小さくした、プロジェクタ一体型の電子黒板も開発されています。
 
(3) ユニット型

 専用の黒板を使わない、簡易型です。プロジェクタを使って、ホワイトボードや黒板に映像を映し、ユニットを貼りつけて使用します。

1.長所
①何といっても魅力は、低価格にあります(といっても他の型と比較してですが)。概ね10~20万円程度で一式を揃えることができます。
②とても軽く、簡単に持ち運びできます(プロジェクタを除く)。しかもコンパクトなので、保管に場所を取りません。
③場所を選ばず、大画面で利用できます(ただし無限ではなく、使用領域には制限があります)。専用黒板を使わないので、好きなところに画像を映して使用できます。
 画面の明るさや精密さがプロジェクタの性能によるのは、ボード式と同じです。ユニットは、磁石付きになっています。しかし、ガムテープで壁に無理矢理貼って使用することも可能です(お勧めはしませんが)。

2.短所
①パソコンとユニット、パソコンとプロジェクタをケーブルで接続する必要があります。
②こちらも、使用するときに初期の位置合わせが必要となります。
③画面に電子ペンなどで書き込むときに、プロジェクタの投影角度によっては影になる部分ができます。影の部分は、画像がなくなるため、書き込むときに戸惑う場合があります。

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2009年8月 5日 (水)

電子黒板の基礎知識【第3回 電子黒板のデメリット】

 第2回では電子黒板の長所を紹介しましたが、何事にも長所と短所があります。それは電子黒板も同じ。ではどのような短所があるのでしょうか。

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2009年7月27日 (月)

電子黒板の基礎知識【第2回 電子黒板で何が便利なの?】

 ここから電子黒板といった場合は、特に断りがない場合を除いて「狭義的解釈」のパソコンと双方向で利用できるタイプということで話を進めていきます。

 電子黒板には、パソコンの映像を大きく映し出します。パソコンの映像を大きく映すだけなら、プロジェクタでも可能です。では、電子黒板は、どんなところが優れているのでしょうか。

(1)黒板というだけあって、映された大画面に、直線や曲線、丸や四角といった図形などを自由に書き込み、またそれを消す機能が標準的に装備されています。天気予報で一般的に使われるようになった、ワンタッチで低気圧や高気圧を表示したり、雨雲の動きを図示したりするのと、同じような機能をもっているのです(天気予報など特殊機能は、別に専用ソフトが必要です)。

 また教材提示装置と組み合わせれば(あらかじめ画像として取り込んでおいても可能)、教科書を大きく映しだし、そこで重要なポイントや注意すべき点を自由に書き込みながら授業をすることが可能です。

 黒板と違って何度も書いたり消したりがワンタッチできるので、児童は間違うことを恐れずに書き込むことができます。

 さらに便利なのは、その書き込んだ画面をそのまま(この場合は映した教科書ごと)画像として保存できる点です。保存しておいた画面は、前の時間の復習に映し出したり、欠席した児童・生徒に補習用に配布したりすることができます。

(2)また、電子黒板に対応しているパソコンソフト(デジタル教科書などと通称されるコンテンツ)を使えば、さらに授業を効率的に、視覚的に展開することも可能になります。文部科学省が配布した「英語ノート」は、対応ソフトの代表例です。

 もちろんパソコンとプロジェクタがあれば、この「英語ノート」の機能のかなりの部分、録音された音声や音楽を流したり、映像を映したりすることは可能ですが、電子黒板と組み合わせて使うことにより最大限に効果が発揮できるように設計されています。

(3)もうひとつ、板面を使ってパソコンの動作を操作できるというのが、電子黒板の大きな特長となります。

 プロジェクタを使用した場合、黒板とパソコンの距離を近く設定できればよいのですが、そうできなければ両機器の間を操作の度に往復しなくてはなりません。授業の流れが中断され、最悪はケーブルに足をとられるなど、煩わしい事態の発生が想定されます。電子黒板であれば、位置を移動せずにパソコンの操作が可能です。

 また、一体型(第4回参照)や、無線接続機能を有した電子黒板では、配線の数が最小限になるように設計されています。小学校英語のような動的活動が多いような授業での使用を想定している場合は、こういった特性を選択の基準にすることも重要ですね。

(4)その他にも、電子黒板ならではの便利さがあります。

 まずはチョークを使わないので、粉が飛ばず、手や教室の空気が汚れません(ダストレスチョークもありますが)。

 丸や四角などの図形が、正確に描けます。直線が真っ直ぐに引け(言葉的に矛盾していますが)、線種や色も多様に選べます。画面の拡縮が、ワンタッチでできます。などなど、多彩なデジタルならではの機能が標準装備されています。

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2009年7月21日 (火)

電子黒板の基礎知識

 21年度の補正予算で、公立の小中学校に1台ずつ電子黒板を配備する予算措置がなされました。
 購入する際の選定や、導入した後の活用に役立つように、電子黒板に関する基本的な情報を簡単にまとめてみました。(5回連載の予定です)

【第1回 電子黒板ってどんなもの?】

 そもそも電子黒板とは、どんなものを指すのでしょうか。
 というのも、このテーマで話をしていると、互いに考えている電子黒板の定義が異なっていることが途中で判明して、会話が振り出しに戻ってしまうことがあります。個人の知識や経験、立場によって、電子黒板という言葉は違う解釈がされているのが実情のようです。
 電子黒板のお話を進める前に、改めて整理しておきましょう。

(1)広義的解釈
 教室にあるチョークを使って書き込むアナログ式の黒板に対して、デジタル的機能がついているすべての黒板が含まれます。この場合は、よく会議室に置かれている、水性ペンを使って記入したことをそのまま紙にプリントできるホワイトボードも含まれることになります。

(2)狭義的解釈
 パソコンと連動して使える黒板ということになります。
 広義的な電子黒板でも、プリントしたものをスキャニングしたり、最近ではUSBでデータとして出力したりすることで、パソコンでの活用はできます。
 しかし狭義的にはもう少し積極的に、パソコンと黒板を双方向で利用できるということが前提となります。具体的にいえば、電子ペンや指で黒板を触ることで、キーボードやマウスの代わりにパソコンに入っているソフトを動かすことができる、ということになります。パソコンでいえば、黒板がタッチパネルの働きをするということですね。
 電子情報ボードやインタラクティブ・ホワイトボード、e-黒板と呼ばれることもあります。

 ということなので、電子黒板と一口にいっても認識に違いが生じる場合があります。
 ちなみに、黒板とは称していますが、基本的には板面は白色が主流となります。日本語は、難しいですね。

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2009年6月23日 (火)

「学校ICT環境整備事業」の第2次募集始まる

 平成21年度補正予算において、学校ICT環境整備の一環として、地上デジタルテレビ(電子黒板を含む)の整備予算667億円が計上されたことはご存知のとおりです。
 この度、6月15日付で、先般締め切りとなった事業計画書の追加募集がされることになりました。せっかくの予算措置ですがまだ予算に余裕があるようです。この機会を活用して、「電子黒板」積極的な導入をお願いします。
 事務連絡の詳細は、下記をご参照ください。
 http://www.japet.or.jp/index.cfm/4,1964,58,html
 また合わせて、どのタイプの「電子黒板」が補助対象となるか、定義について整理しておきました。

(1)電子黒板の定義について(緩和要件)
「電子黒板」について、これまでは【電子黒板機能付デジタルテレビ】が補助対象でした。これに加えて、【固定式プロジェクタと一体になってスクリーン等に投影するボード型の「デジタル機能付電子黒板」(地上デジタル放送視聴用チューナーも使用のたびに設置しなくてよいもの)】が対象となりました(従来は周辺機器扱い)。
※この情報は、文部科学省FAQ(1-A-36)に掲載されています。また、補正予算に関する文部科学省のFAQは、JAPETのホームページの補正予算関連情報からも随時ご覧にいただけます。

(2)ユニット型電子黒板について
 このタイプにつきましては、電子黒板機能付デジタルテレビとしての補助対象にはなりません。しかし周辺機器としては、補助の対象となるとされています。FAQ(1-A-20)参照。
 
 このようにFAQには、補助対象についての細かい解説がたくさんあります。追加募集に応募される方は、ご一読の上、学校の実情にあった機器の導入をお願いいたします。

文責:JAPET事務局 川井 正志

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