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2011年3月 1日 (火)

「リアル熟議よこはま」参加報告

 このブログで以前、鈴木寛文部科学副大臣著の「熟議で日本の教育を変える」という本を紹介しました。2月26日(土)に、その熟議が神奈川県横浜市で開催されるというので参加してみました。

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 熟議には「リアル熟議(現場熟議)」と「ネット熟議(熟議カケアイ)」の2種類があり、今回横浜のかながわ労働プラザで行われたのは、実際にいろいろな立場の人々が集まって設定されたテーマについて議論し、発表しあい、それぞれ自分が何をすべきかを明確にするという「リアル熟議」です。

 約100人が参加し、13の班に分かれてリアル熟議をし、発表しました。
 テーマは、「10年後の学校はこうありたい!」です。私がアピールしたいキーワードは、「教育の情報化」です。はたして、参加者のみなさんからはどのような反応があるのでしょうか?

 参加して得た収穫は、次の3つです。
1.「熟議」は議論するだけでなく、その結果として導き出されたそれぞれの思い(決意)を、それぞれが実行していくことによって世の中を変えられるということがわかったこと
2.いろいろな立場、いろいろな考えの方と共に熟議をすることで、自分自身が望んでいる未来の姿が明確になり、そこに至る過程で自分が何をすべきかが見えてきたこと
3.社会(今回は10年後の学校)を、思い描く理想の姿に変えるために協働できそうな人たちと出会えたこと

◇ 開会挨拶、サポーター紹介
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鈴木寛文部科学副大臣のビデオが映し出されました。

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サポーターのみなさんの紹介がありました。立場の違う多くのサポーターにより運営されていることがわかりました。

◇ 基調講演「10年後の学校はこうありたい」 寺脇 研氏 
11022616_2 京都造形芸術大学教授の寺脇研氏が、基調講演をされました。
「日本の学校は、3回目の大きな変革の時期を迎えている。明治維新と戦後と、そして今です。今日は『10年後の学校』というテーマで熟議をしていただきますが、はたして10年後に日本は存在しうるかという困難な時期を迎えています。みなさんで熟議していただいて、それぞれ自分が何をするか考えていただきたい。『自分達が決めて、自分達が行動する、それによって、自分がよくなる。結果的に社会がよくなる。』それが、熟議の意味であり目的です」

◇ 進め方の説明
 事務局より「リアル熟議よこはま」の進め方の説明がありました。
1.「リアル熟議よこはま」のテーマと進め方
①熟議1.「10年後の学校はこうありたい!」
②熟議2.「10年後の学校のために、私(たち)ができることはなんだろう」
③全体シェア それぞれのグループでどんな熟議がされたのかを分かち合う
2.参加者としての立場
 自分の職場や組織・団体などを代表して参加するのではなく、参加者一人一人が、「個」として参加しましょう。
3.熟議に参加するにあたってのルール
(文部科学省のホームページの熟議とはを参照ください。)
4.熟議のグルーピング
①グループは、2時間で話が深められるように、ファシリテーターを含めて7~8人で構成します。
②グループのメンバーは、できるだけいろいろな立場の方で構成できるように配慮します。

 私の班は佐藤幸江先生がファシリテーター役となり、みんなで発表資料をまとめました。このような場では、ファシリテーターの役割がとても重要です。

◇ 熟議1.「10年後の学校はこうありたい!」
 各グループで、「10年後の学校はこうありたい!」というテーマでそれぞれ個人の考えをピンク色の付箋紙に書き、グループごとに模造紙に貼り付けながら、まとめていきました。
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 私は、「いろいろな人が先生になる」「オープンな教室」「自由と規律」「知育・徳育・体育が基本」「生きる力としての思考力・判断力・実行力の育成」を上げました。
そして、日ごろ取り組んでいる「教育の情報化」をアピールしました。グループ内では、意外にもすんなりと受け入れられました。「わかる授業の実現」という目的に加えて、「教員の負担軽減」(校務処理)も有効という意見もありました。

◇ 熟議2.「10年後の学校のために、私(たち)ができることはなんだろう。」
今度は「個人の思い(私ができること)」を黄色の付箋紙に書き、発表用の模造紙に関連づけをしながら貼り付けたり、キーワードを書き込んだりしていきます。
私ができることは、「学校でICT活用の支援要員となる」「ICT活用の事例やコンテンツを体系化して公開する」「電子黒板やデジタル教科書等のデジタルコンテンツの活用促進活動をする」等です。今、まさに取り組んでいる活動です。実効力を高めるためには、熟議を通じて仲間を見つけ、増やすことだと思いました。

◇ 全体シェア
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 各グループの発表、そして全員による投票

◇ 閉会挨拶 寺脇研氏による講評
そして、最後は寺脇研氏がこうまとめられました。
「熟議をして、話をするだけではなく、決意をして実行することに意味がある。」と。

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 「今日集まった100人が熟議をして、その結果導き出されたそれぞれの思い(決意)を、明日から実行していくことによって世の中が変わるのだ!」というのが熟議のすごいところだと思いました。


【ご参考】文部科学省の文科省政策創造エンジン 熟議カケアイのページの中には、【リアル熟議】全国リアル熟議実施結果・予定一覧が掲載されています。


(文責:JAPET第3プロジェクト 関 幸一)

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コメント

とても的確に熟議の様子をまとめてくださってありがとうございます。とってもうれしいです。

投稿: kitami104 | 2011年3月 1日 (火) 23時07分

北見さん:
コメントありがとうございます。happy01
北見さん達のおかげで、とても有意義な時間を過ごすことができました。
これからも頑張ってください。応援しています。
そして、機会があれば次も参加したいと思います。
よろしくお願いします。

投稿: 関幸一 | 2011年3月 2日 (水) 04時28分

先日開催されたH22年度教育ICT活用研究全体報告会に参加しました。現場の先生方のご苦労の程が良く判りました。
関先生の熟議参加報告を拝読いたしました。少子化が進む日本にとって最重要課題は「教育」だと考えています。混沌となっていく世界情勢のなかで日本をどのような国にしていくかを今の子ども達に託さなければならないのです。どうか、子ども達の
能力を高め世界のリーダーを育てる教育をするために今何を子ども達に伝えねばならないかを考慮した「10年後の学校」であってほしいです。

投稿: 上島 義博 | 2011年3月 2日 (水) 10時11分

上島さん:
コメントありがとうございました。
未来を生きる子どもたちには、「思考力」「判断力」「実行力」を身につけてもらいたいと思います。
そして、これからはグローバルな視点がさらに重要になってくるでしょう。
学校はそれらを身につけるための一番重要な場所だと思います。

投稿: 関幸一 | 2011年3月 3日 (木) 06時12分

この度は熟議への参加ありがとうございました。そしてブログアップ感謝です。
これからもつながって、広げましょうね!よろしくお願いします。
次はICT熟議ですかね。

投稿: 森 達也 | 2011年3月 3日 (木) 12時10分

森さま:
コメントありがとうございました。
「リアル熟議よこはま」の企画・運営、ご苦労さまでした。
ICT熟議もよろしくお願いします。happy01

投稿: 関幸一 | 2011年3月 3日 (木) 12時28分

熟議への参加、お疲れ様でした。10年後の学校がどうなるのか、真剣に議論されたことがよく判るレポートでした。
某国の国会のような、掛け声だけの熟議でないということに、私は安心しました。

投稿: 秋田の素浪人 | 2011年3月 3日 (木) 15時29分

秋田の素浪人さん:
コメント、ありがとうございます。
レポートをほめていただけると、とても幸せな気持ちになります。
(今日は、久しぶりに休暇をとって自宅でくつろいでいます。happy01

投稿: 関幸一 | 2011年3月 3日 (木) 15時41分

リアル熟議へのご参加、誠にありがとうございました。
さらにブログへのアップ、とても感謝しております。
とても分かり易く記事にして頂き、まだ参加されていない方々も「熟議」をイメージしやすいのではないかと思いました。ありがとうございます。
これからも宜しくお願いいたします。

投稿: 柏木太 | 2011年3月 4日 (金) 13時08分

柏木さん:
コメントありがとうございました。
また、当日は熟議に慣れない‘私達、第3班のメンバー’にいろいろとアドバイスいただき、本当にありがとうございました。
熟議のやりかたは「いろいろなプロジェクト」「いろいろな職場」で実践してみると効果がありそうですね!
ただ集まって意見交換・情報交換をするだけではなく、メンバー全員が目的と方法を明確にして行動することで、きっといい成果が得られると思います。
ありがとうございました!

投稿: 関幸一 | 2011年3月 4日 (金) 19時58分

遅くなりましたが、
先日は同じグループでお世話になりました。
とても簡潔にまとめられていてすばらしいですね。
 
これからも熟議の輪を広げていければと思います。
森さんのICT熟議もいいですね。
 

投稿: 多田 邦晃 | 2011年3月 5日 (土) 00時07分

多田さん:
コメント、ありがとうございます。
こちらこそ同じグループでご一緒させていただき、いろいろと感心するところが多かったです。
「農に学ぶ環境教育ネットワーク」は素晴らしい活動ですね。寺家ふるさと村には、妻と一緒によく遊びに行っています。
今後とも、よろしくお願いします。

投稿: 関幸一 | 2011年3月 5日 (土) 04時46分

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